ルイ・ビットン

飲んで帰ってきた父親が、私の部屋に入ってくるや否や、ルイ・ヴィトンの新しい財布を、私の机の上にポンと投げた。「これ、やるよ」と偉そうに言う。え、どうしたの突然。ちょっとうろたえる私。でも、頭の中では

きっとこんな時は娘として「わー、パパありがとう☆のぞみ嬉しい♪」と答えてあげるべきなんだろう。

と冷静に考えた。


が、はっきり言って全然嬉しくない。だって私ルイ・ヴィトンあんまり好きじゃないし…。ということで、とっさに出た言葉が「え、いらない。」

少しがっかりした顔をする父親。そして「本物だと思う?」と聞かれた。「なんか、薄いし偽物っぽい。」と答える。というか、剥き出しの時点で怪しいよね(苦笑)。「で、偽物なの?」と聞くと「そうだよー」だって。

父さん、のぞみは父さんが一体何をしたいのかよく分からないです…。